1963年5月27日発売。
ボブ・ディランの2枚目のオリジナルアルバム。
ほとんど弾き語りのフォークスタイルで歌っている、
ボブ・ディランの最初のオリジナルアルバム4枚は本当にシブい。
その中でも2枚目がもしかしたら一番入りやすいかもしれもしれないけれど、
それでもかなりシブいことには変わりない。
このアルバムは僕がボブ・ディランのオリジナルアルバムで、
初めて手にしたアルバムだった。
手にした決め手は「風に吹かれて」が入っていること、
アルバムのジャケットがカッコよかったからだ。
このアルバムを手にして聴いたとき、
当時Jpopに聴きなれた耳を持つ僕にとってはあまりのシブさで
最後までちゃんと聴くことが出来ず、挫折した覚えがある。
やはり声が初心者に受け入れにくいのだと思う。
これは今の日本だけでなく当時のアメリカにもいえることで、
1963年6月、3人によるフォークグループ、
ピーター・ポール&マリーがカバーした「風に吹かれて」が
発売され、同年8月17日付の全米ポップチャートで2位を記録する。
そのヒットに乗じボブ・ディランが歌うバージョンも
63年8月に急遽シングルで発売するが売れなかった。
しかし慣れて聴き楽しむとこの声とギターの音の心地よさを感じられる。
このアルバムを聴いて思うことは、
確かなギターの腕と声による表現がこのアルバムの強さなのだろう。
そうでないと聴きなれたとしても、心地よく聴けない。
ジャケットが素晴らしい。
ニューヨークの雪の中にボブ・ディランが
当時実際に付き合っていた女性に腕つかまれ、むつまじく映っている。
実はこのアルバム、
アーティストがジーンズ姿で写真に映った、
世界で初めてのアルバムジャケットである説がある。
ジェームズ・ディーンが1955年、映画『理由なき反抗』でジーンズ姿をファッションにしてから、
8年の間、エルヴィス・プレスリーもジーンズ姿の時があったが
アルバムジャケットでは着ることがなかった。
何気ない若者の日常を感じさせるこのジャケットだから
ジーンズ姿が似合う。
武器や兵器を売っている、死の商人について唄っている3.「戦争の親玉」に代表されるように
とプロテスト色が強い曲がいくつかある。
その一方で2.「北国の少女」、7.「くよくよするなよ」といった繊細な曲があり
曲単位だと聴きどころが多い。
ギターの演奏技術がかなり必要な7.「くよくよするなよ 」
未だに僕はこの曲の弾き語りが出来ない。
時間を見つけて弾けるように練習しよう。
1.風に吹かれて – Blowin’ in the Wind –
2.北国の少女 – Girl from the North Country –
3.戦争の親玉 – Masters of War –
4.ダウン・ザ・ハイウェイ – Down the Highway –
5.ボブ・ディランのブルース – Bob Dylan’s Blues –
6.はげしい雨が降る – A Hard Rain’s a-Gonna Fall –
7.くよくよするなよ – Don’t Think Twice, It’s All Right –
8.ボブ・ディランの夢 – Bob Dylan’s Dream –
9.オックスフォード・タウン – Oxford Town –
10.第3次世界大戦を語るブルース – Talking World War III Blues –
11.コリーナ、コリーナ – Corrina, Corrina –
12.ワン・モア・チャンス – Honey, Just Allow Me One More Chance –
13.アイ・シャル・ビー・フリー – I Shall Be Free –
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