1964年1月13日発売。
前作のギターによるフォークの弾き語りを引き継ぎ、
メッセージをより前に出したプロテスト色の強いアルバム、
3曲は実際に起きた出来事を元にして唄にしている。
2.「ホリス・ブラウンのバラッド」は農民のホリス・ブラウン家が貧困により7人一家心中する内容。
6.「しがない歩兵」はメドガー・エヴァースという黒人で公民権運動で運動していた人を
暗殺する殺し屋の手先(しがない歩兵)が唄の主人公。
9.「ハッティ・キャロルの寂しい死」は、
ハッティ・キャロルという白人の青年に殴られ亡くなる黒人の女性について。
白人の青年は注文が遅いという理由で、ステッキを折るほど殴りつけ
ハッティ・キャロルは亡くなる。
州評議員だった父親をもつその青年は禁固6カ月の判決で、
しかもタバコの刈り取りが多忙だからと特別に刑の執行を免除される。
人種差別に対する、あるいは一人の人間の不条理がテーマになっている。
全編弾き語りによるプロテスト色が強いアルバム。
重さを感じる歌詞のなか、
ボブ・ディランのしゃげれた歌と演奏の上手さ、メロディーの美しさが
苦いがひっそりと甘さを感じ、聴き手を置き去りにはしていない。
特に9.は前述どおりの悲劇性が大変強い歌詞なのだが、
メロディーの美しさが聴き手に聴かせることが出来ている、このアルバムの最重要曲になっている。
ボブ・ディランが敬愛する
ウディ・ガスリー「Woody Guthrie Sings Folk Songs 」を参考にしたジャケットから映る姿。
実年齢よりも、年をとったようなアルバムの内容と相まってしぶ若さを感じる。
1.時代は変る – The Times They Are a-Changin’ –
2.ホリス・ブラウンのバラッド – Ballad of Hollis Brown –
3.神が味方 – With God On Our Side –
4.いつもの朝に – One Too Many Mornings –
5.ノース・カントリー・ブルース – North Country Blues–
6.しがない歩兵 – Only a Pawn in Their Game –
7.スペイン革のブーツ – Boots of Spanish Leather –
8.船が入ってくるとき – When the Ship Comes In –
9.ハッティ・キャロルの寂しい死 – The Lonesome Death of Hattie Carroll –
10哀しい別れ – Restless Farewell –
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