ボブ・ディラン 『ダウン・イン・ザ・グルーヴ』


Down in Groove

1988年5月30日発売。
この時期のボブ・ディランは不調だ。
『インフィデル』(1983年)以降のボブ・ディランは
まるで徐々にエネルギーをなくしているようだ。
緩みに緩み、虚脱一歩手前にすら感じるサウンドは
このアルバムを作るためにリハーサルしたまま放置して
そのまま発売されたみたいになっている。
いやリハーサルやアウトテイクの方が集中力ある場合があって
そのことはブートレグシリーズを聴けば実感できると思う。
曲によっては磨き、サウンド次第でかなり評価をされる曲があると思われるが、
緩みに緩んだサウンドによって大きく曲の評価を下げている。

実質的なプロデューサー、ディレクター不在だということなのだろうか。
この時点で、もはや大物になりすぎたボブ・ディランは
積極的に意見を求めなければ、誰も口をはさめない状況を
どのくらい自覚していたのか。
さすがに危機感を感じたのか、次のアルバムは
プロデューサーにダニエル・ラノワを迎え
『オー・マーシー』(1989年)という充実したアルバムを制作する。

1.レッツ・スティック・トゥゲザー – Let’s Stick Together –
2.ホェン・ディド・ユー・リーヴ – When Did You Leave Heaven? –
3.サリー・スー・ブラウン – Sally Sue Brown –
4.デス・イズ・ノット・ジ・エンド – Death Is Not the End –
5.ハド・ア・ドリーム・アバウト・ユー – Had a Dream About You, Baby –
6.アグリエスト・ガール – Ugliest Girl in the World –
7.シルヴィオ – Silvio –
8.ナインティ・マイルズ・アン・アワー – Ninety Miles an Hour (Down a Dead End Street) –
9.シェナンドゥ – Shenandoah –
10.ランク・ストレンジャー・トゥ・ミー – Rank Strangers to Me –

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