ボブ・ディラン 『奇妙な世界に』


奇妙な世界に(紙ジャケット仕様)

1993年10月26日発売。
前作『グッド・アズ・アイ・ビーン・トゥ・ユー』に続いて、
ブルース、フォークのカヴァー集になる。
ただし前作とただ同じなのかといえば、
そうでもなくいくつかの差異は見られる。

まずレコーディングの場所が変わったからだろうか。
アルバム全体の響きは比べると違う。
わざとチープな質感にしたのか
ギターの音が前作に比べて痩せている。
こちらは現在でいう、家で卓録したような響きがする。
その分、見方によっては身近さを感じる、のかもしれない。

そして曲数も減らした。
サウンドと合わせて良くも悪くもミニマム化したと思われる。
しかしそのことが評価を高めたのか
このアルバムは
グラミー賞ベスト・トラディショナル・フォーク・アルバムを受賞する。

歌声もそれなりに変わっている。
80年代終わり見られた、90年代以降のわざと喉を潰したような声に進んでいる。
ボブ・ディランなりのブルースを感じさせる歌声と
いうことなのだろうか。
このアルバム以降、このボブ・ディランは歌唱のスタイルを通し続けている。

『グッド・アズ・アイ・ビーン・トゥ・ユー』につづいて
僕には馴染みのない曲のカヴァー。
ただそれはボブ・ディランがギター一本でカヴァーしていた時期の
60年代前半の時にもいえることだけれども、
僕自身はブルースやフォークの勉強になるなと思っている。
個人的には「ブラッド・イン・マイ・アイズ」に
ボブ・ディランのオリジナル曲「悲しみは果てしなく」を感じ取られたので、
もともと膨大なブルースやフォークソングを聴いて研究したことで
ボブ・ディランの音楽性は出来ているんだなと実感できた。

1.奇妙な世界に – World Gone Wrong –
2.ラヴ・ヘンリー – Love Henry –
3.ラグド&ダーティ – Ragged & Dirty –
4.ブラッド・イン・マイ・アイズ – Blood in My Eyes –
5.壊れた機関車 – Broke Down Engine –
6.デリア – Delia –
7.スタッカ・リー – Stack a Lee –
8.二人の兵士 – Two Soldiers –
9.ジャッカ・ロウ – Jack-A-Roe –
10.孤独な巡礼 – Lone Pilgrim –

コメント

タイトルとURLをコピーしました