ザ・ビーチ・ボーイズ 『サマー・デイズ』


サマー・デイズ(紙ジャケット仕様)

1965年7月5日発売。
『ザ・ビーチ・ボーイズ・トゥディ』からわずか4カ月の発売。
ブライアン・ウィルソンがツアーに参加せずに、
作曲に専念できることで時間を手にすることができたことが大きいけれど
それにしても、このアルバムの問題曲含めて
12曲聴きごたえたっぷりの粒ぞろいで
作曲家として充実していたことが分かる。

アルバムとして
この時期のビーチボーイズとしてはやや中低音がやや多めに感じる
随分、アメリカロック色が強いタフさを感じる作風だ。

ジャケットとタイトルで惑わされがちだけれど、全体的には
歌詞もカリフォルニア、海といったビーチ・ボーイズのテーマを感じさせる言葉が減っている。
ビーチ・ボーイズの中で
作詞担当のマイク・ラブについての情報が不足しがちなだけに
このアルバムの当時の制作状況について、マイク・ラブ側の立場を聞きたい。

いくつかの曲を言及したいと思う。
「ガール・ドント・テル・ミー」は
ビートルズの「涙の乗車券」から
インスパイアされた曲で、
ブライアン・ウィルソンの
ライバル意識と作曲手法が垣間見れたようで面白い。

「ヘルプ・ミー・ロンダ」は
『ザ・ビーチ・ボーイズ・トゥディ』にあった
「ヘルプ・ミー・ロンダ」
(”Help Me, Ronda” から”Help Me, Rhonda”に改名して)
リアレンジしてシングルとして発売する。
(「アイ・ゲット・アラウンド」以来の2度目の)全米1位を獲得した。

「カリフォルニア・ガールズ」(全米3位)
はビーチボーイズの代表曲である人気の高い。
村上春樹のデビュー作『風の歌を聴け』で重要な位置でこの曲が出てくる。
この曲を知っていから、小説を読むと面白いと思う。

「アイム・バッグド・アット・マイ・オール・マン」で父親との確執を堂々と唄う。
こんな唄つくるなんてよほど子供の頃、つらい目にあったのだろう。
その次に出てくるアルバム最後の曲「アンド・ユア・ドリーム・カムズ・トゥルー」、
ビーチ・ボーイズのコーラスのみの讃美歌のような唄に
聴いている僕が救われる気持ちと心から願いたくなる。

1.ニューヨークの娘 – The Girl From New York City –
2.アミューズメント・パークス・U.S.A. – Amusement Parks U.S.A. –
3.あの娘にキッス – Then I Kissed Her (Phil Spector/E. Greenwich/J. Barry) –
4.ソルト・レイク・シティ – Salt Lake City –
5.ガール・ドント・テル・ミー – Girl Don’t Tell Me –
6.ヘルプ・ミー・ロンダ – Help Me, Rhonda –
7.カリフォルニア・ガールズ – California Girls –
8.レット・ヒム・ラン・ワイルド – Let Him Run Wild –
9.素敵な君 – You’re So Good To Me –
10.恋の夏 – Summer Means New Love –
11.アイム・バッグド・アット・マイ・オール・マン – I’m Bugged At My Ol’ Man –
12.アンド・ユア・ドリーム・カムズ・トゥルー – And Your Dream Comes True –

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