1964年10月19日。
ビーチボーイズのライブ・アルバム。
ビーチボーイズ初めてのアルバムチャート1位で
ベスト盤『エンドレス・サマー』(1974年)を除いたら、
唯一1位を獲得したアルバム。
ビーチボーイズの勢いが乗っていたことと
当時アメリカではライブ・アルバムは需要が相当あったことが
順位が物語っている。
なおレコード会社のキャピトルはビートルズにもライブ・アルバムの発売を要求。
ビートルズは一応ライブ・レコーディングをするが、
音質に難があることを理由に発売を拒否。
このエピソードを聞いて、
作品作りに関して、
ビートルズの方が完璧主義であったと見ることもできるが、
レコード会社キャピトルとの関係性で見ると
ビートルズにとっては、
キャピトルはあくまでアメリカの販売担当であったということと、
ビーチボーイズにとっては、
本国の制作・販売であったということとの、
違いがあったと見ることもできる。
なおビートルズがおこなったライブ・レコーディングの音源は
ビートルズ解散後の1977年『ライブ・アット・ハリウッド・ボウル』として発売される。
それでも音質に難があり、初CD化は約39年後の2016年になってようやく発売される。
それにしても歓声がとてつもなくうるさい。
うるさすぎて演奏が聴こえなかったといわれるビートルズよりもうるさい。
客席にわざわざマイク録音を仕込んだのだろうか、
それともライブ感を無理やりだすために、
SE的に歓声を大量に挿入したということなのだろうか。
そんな肝心のライブ音源だけれど、
コンサートの模様を出来る限りそのまま収録するには、主に音質に難があったようで
スタジオで録音した音源を多く使い、コンサートの音源を差し替えをおこなっている。
「ファン・ファン・ファン」「アイ・ゲット・ラウンド」は
既存のスタジオ音源を加工して収録した説がある。
どのくらい実際のコンサートの演奏の音源が使われたのか、はっきりとしていない。
下手したらほとんど使われてない可能性すらある。
ブライアン・ウィルソンが普通にライブに参加している。
ビーチボーイズのライブ・アルバムはこのアルバム含めて4枚あるのだけれど、
「ライヴ・イン・ロンドン」(1970)「ビーチ・ボーイズ・イン・コンサート 」(1973)
はブライアン・ウィルソン不参加。
「ライヴ・アット・ネブワース1980」は一応は参加しているけれど、
数曲、一部歌うだけで
ほとんどぼーとキーボードに座っているだけの状態になっている。
このアルバムはジャケットに映っているように、
ブライアン・ウィルソンが
まだビーチボーイズのメンバーとして
普通にコンサートに参加している時期に発売されたとあって、
まともにビーチボーイズのメンバーとして参加している唯一のアルバムとなっており、
そういった意味で貴重となっている。
このアルバムを批判するときに
「モンスター・マッシュ」「パパ・ウー・モウ・モウ」といった
「芸術性のない」曲がレパートリーにあると、やり玉にあがるけれど、
僕はそう思っていなくて、
このアルバムは、ライブ・アルバムじゃなさすぎる、
歓声がうるさすぎるところが問題なのだと思う。
僕はそういったエンターテインメント全開の曲が入っていることが
マイナス点になっていると思わない。
むしろ僕はこれらの曲を聴いていて楽しいと思っていて、
かつてはただ楽しくキラキラしていたビーチボーイズが存在していたと思うと
眩しく感じる。
1.ファン・ファン・ファン – Fun Fun Fun
2.パサディナのおばあちゃん – The Little Old Lady From Pasadena
3.いかしたクーペ – Little Deuce Coupe
4.ロング・トール・テキサン – Long, Tall Texan
5.イン・マイ・ルーム – In My Room
6.モンスター・マッシュ – Monster Mash
7.レッツ・ゴー・トリッピン – Let’s Go Trippin’
8.パパ・ウー・モウ・モウ – Papa-Oom-Mow-Mow
9.ワンダラー – The Wanderer
10.夢のハワイ – Hawaii
11.グラデュエイション・デイ – Graduation Day
12.アイ・ゲット・アラウンド – I Get Around
13.ジョニー・B・グッド – Johnny B. Goode
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