1969年4月9日発売。
ボブ・ディランは『ジョン・ウェズリー・ハーディング』でカントリーの路線を始めた。
このアルバムでさらに突き進むことになる。
カントリーミュージックとして深化できたということだろうか。
ボブ・ディランが爽やかな笑顔を見せているジャケットも
これまでと違うアルバムだと示しているようだ。
そして何より声が変わっている。
ざらついた声は一切なし、すみきった声になっていて
別人のように変わっている。
一説にはもともとボブ・ディランはデビュー前の、
ニューヨークにやって来る前の声は
こういう歌声だったという話がある。
ボブ・ディランは一般的には
ざらついた声と一括りで決められているが、
実際はアルバムや時期ごとにボブ・ディランは
声や歌い方を変えている。
このすみきった声は『ジョン・ウェズリー・ハーディング』の時点で
兆候があった。
そうしたことを考えると、アルバムごとに感じるざらつき具合は
ボブ・ディランなりにベストと判断して歌っていて、
このアルバムの歌声はアルバムのテイストとして適していると判断したのだろう。
前作、前々作に続くカントリーで有名なナッシュビルでのレコーディング。
そして1.はカントリーミュージシャンとして有名なジョニー・キャッシュと共演
(実際はかなりの曲をジョニー・キャッシュとレコーディングしたのだが、
アルバムで採用されたのは1曲のみ)
『ジョン・ウェズリー・ハーディング』に比べると、
オブリガードのギター、スライドギターの大幅増加、
オルガンが追加されるなど、アレンジに音の厚さを増し、
サウンドは取っつきやすくなっている。
おそらくアルバムとしても『ジョン・ウェズリー・ハーディング』
よりも入りやすいアルバムだと思う。
1.北国の少女 – Girl from the North Country –
2.ナッシュヴィル・スカイライン・ラグ – Nashville Skyline Rag –
3.トゥ・ビー・アローン・ウィズ・ユー – To Be Alone with You –
4.アイ・スリュー・イット・オール・アウェイ – I Threw It All Away –
5.ペキー・デイ – Peggy Day –
6.レイ・レディ・レイ – Lay Lady Lay –
7.ワン・モア・ナイト – One More Night –
8.嘘だと言っておくれ – Tell Me That It Isn’t True –
9.カントリー・パイ – Country Pie –
10.今宵はきみと – Tonight I’ll Be Staying Here With You –
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