ビートルズ 『レット・イット・ビー』


レット・イット・ビー

1970年5月8日発売。
このアルバム発売直前にビートルズは解散し、
ビートルズ最後のオリジナル・アルバムとなった。

ただアルバム自体の録音の大半は1969年1月に終わっていて、
ビートルズの人間関係上トラブルがあり、
このアルバムの収録曲は放置されたままであった。

この録音されたもので
エンジニアのグリン・ジョンズがミキシングし曲順も決め、
『ゲットバック』というアルバムを2度、形にするけれど、
ビートルズ側が内容に不満があるとし、却下し
さらに放置される。

1970年になり、ジョン・レノンの提案により
フィル・スペクターがプロデュースすることに決まる。
ジョン・レノンはソロシングル『インスタント・カーマ』(1970年2月6日発売)の
サウンドの出来を大いに気に入ったことから来たものであった。

ただそのフィル・スペクターがプロデュースした『レット・イット・ビー』は、
10.「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」にオーケストラを取り入れ、
作曲したポール・マッカートニーが激怒、
元々たまっていたビートルズのトラブルという油に火をつけることになり、
1970年4月、ポール・マッカートニーはビートルズ脱退宣言をする。
これが拡大解釈でビートルズ解散と捉えられ、
収拾がつかなくなったビートルズ側はこれ以降、ビートルズとして活動しなくなる。

そういった制作背景や発売当時の状況はは穏やかではないけれど、
さすがにビートルズのオリジナル・アルバムとして発売しただけあって、
アルバムのクオリティーは保証されている。

僕としては10.「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」は
オーケストラ入れて良かったと思うし、
3.「アクロス・ザ・ユニヴァース」も
3バージョンの中では1番いいのではないだろうか。
このアルバム自体、ビートルズのオリジナル・アルバムの中でも好きな方であった。
ただ、このアルバムに
「ドント・レット・ミー・ダウン」は入れて欲しかった。

ちなみにこのアルバムは日本でビートルズのオリジナル・アルバムで最も売れたアルバムだそう。
生ピアノが目立つバラードの「レット・イット・ビー」、
珍しい王道オーケストラ・アレンジが入っている「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」が
収録されているところが要因なのではないかと思われる。

そうなると、フィル・スペクターの音楽的なやり方は
決して間違っていなかったのではないだろうかと
僕は考えている。
ただポール・マッカートニーは不満だったらしく、
このアルバム発売から33年後、
フィル・スペクターを悪者にしたようなアルバムが発売にされる。

1.トゥ・オブ・アス – Two of Us
2.ディグ・ア・ポニー – Dig a Pony 
3.アクロス・ザ・ユニヴァース – Across the Universe
4.アイ・ミー・マイン – I Me Mine 
5.ディグ・イット – Dig It
6.レット・イット・ビー – Let It Be
7.マギー・メイ – Maggie Mae
8.アイヴ・ガッタ・フィーリング – I’ve Got a Feeling
9.ワン・アフター・909 – One After 909
10.ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード – The Long and Winding Road
11.フォー・ユー・ブルー – For You Blue
12.ゲット・バック – Get Back

コメント

タイトルとURLをコピーしました