UNICORN 『PANIC ATTACK』


PANIC ATTACK [ ユニコーン ]

1988年7月21日。
キーボードの向井美音里が「健康上を理由に」脱退する。
その代わりとして阿部義晴が参加する。
サポートメンバーとして参加したのちに、
正式メンバーとして加入する。
このアルバム発表時では阿部義晴は
まだ正式メンバーではないので、ジャケットに映っていない。

おそらくはバンド内の音楽の実力強化のため
阿部義晴にとってかわられたのだろう。
阿部義晴はユニコーンの音楽面で
実力を大きく発揮することとなる。

ジャケットから見ても含めてコメディ要素や
社会的なネタを取り入れようということが伺える。
その一方でデビュー前後に作った曲が半分収録しており、
また先ほど書いたコメディ要素を取り入れようとした曲も
まだこなれきれていないようにも見え、
次のアルバム『服部』や『ケダモノの嵐』と比べると
過渡期を感じさせるアルバムではある。
ただ、前作の要素7割、『服部』以降につながる要素3割と考えたら
これはこれで楽しめるアルバムであると思えるとしたら、どうだろうか。

全編曲: 笹路正徳、UNICORN

1.I’M A LOSER
作詞・作曲:奥田民生
タイトルはビートルズの同曲を意識したのだろう。
だからなのか、ビートルズの同曲と同じ伴奏なしから始まる。
前作に入ってもおかしくない曲で
『服部』以降では聴けないし、この後の奥田民生のソロでも聴けない表現。
そういう意味で少しノスタルジ―な気持ちにもなるのは
おそらくこの曲のクオリティーが高いからなのだと思う。

2.HEY MAN!
作詞・作曲:奥田民生
笹路正徳が行っただろう
イントロのサウンドエフェクトが心地よい。
元気な演奏が目につく曲。
コメディ要素を入れようとして
けれども
まだこなれていない奥田民生の
悪戦苦闘している姿が目に浮かんでいて微笑ましい。
過渡期感も感じるけれども、
そこが可愛げの感じる曲。

3.SUGAR BOY
作詞・作曲:奥田民生
まるでビジュアル系の曲だけれど、カッコいい。
歌詞が同性愛の人を元気づける内容ともいわれるが、
言われても、あまり分からない。

4.抱けないあの娘-Great Hip in Japan-
作詞・作曲:奥田民生
女性が太って過ぎて抱けないという面白歌詞。
曲調やサウンドは2枚目でしかないという
この後のユニコーンを見れば、ある意味過渡期的な曲。
ただ僕はこういった曲、いいと思っている。

5.FINALLY
作詞・作曲:奥田民生
2枚目のみの曲、この曲はデビュー前からあったとされる。
「SUGAR BOY」もそうであった。
このアルバムは
まだレコーディングしなかった曲を発表することで、
デビュー前の自分たちに別れを告げようとしていると見える。
マイナー調のポップバンドのサウンドにカッコ良さを感じていて、
このまま深化すれば王道の90年代ロックバンドになると思えるのだが、
そうならないのが、80年代の世相であり、彼らの音楽なのだろう。
このまま深化した来なかった未来、
アナザーストーリーの表現をもまた見たかった。

6.シンデレラ・アカデミー
作詞・作曲:堀内一史
はちゃめちゃ感を感じる、後のユニコーンを感じる。
堀内一史が作詞・作曲している。
奥田民生以外が作詞した曲が登場。
この後登場する「ペケペケ」もそうだけれども
『服部』以降のユニコーンは
このアルバムでは
他のメンバーが書いた曲や歌詞の方が
感じることが出来るというところが面白い。

7.サービス
作詞・作曲:奥田民生
2枚目ソング。
アウトロのシンセの音好きだ。

8.ペケペケ
作詞:川西幸一 作曲:奥田民生
Aメロは堀内一史が歌い、Bメロ以降が奥田民生が歌う
サウンドも含めて『服部』以降の要素が強い曲、
仮に『服部』にこのアルバムが
収録されていてもおかしく感じない。
『服部』以降のユニコーンが好きで聴いたのなら、
このアルバムがハイライトになるのではないだろうか。

9.SHE SAID
作詞・作曲:奥田民生
イントロがカッコいい。
この曲と次の「眠る」とビジュアル系の曲調の唄が続く。
アルバムも佳境に入ったようだ。
「ペケペケ」は次回作の予告編に思えてしまう。

10.眠る
作詞・作曲:奥田民生

11.ツイストで目を覚ませ -Twistin’ in Suits ’85-
作詞:手島いさむ 作曲:奥田民生
「眠る」を収録するためにこの曲の並びになったと思われる。
ビートルズ風のコーラスが登場。
音像をまざとローファイにして、タイトルに合わせている。

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