ボブ・ディラン 『ショット・オブ・ラブ』


Shot of Love

1981年8月10日発売。
キリスト教三部作
(『スロー・トレイン・カミング』(1979年)、『セイヴド』(1980年)、今作)の最後となっている。
2.「ハート・オブ・マイン」といった明るい曲があり、
アルバム全体は前作のようなダークさがなくなっている。
大所帯の演奏陣による太く力強いサウンドはカッコよく、
演奏そのものが心地よい、AORっぽさがだいぶ出ている曲がある。
前作のようなラフさがなく丁寧に作られたサウンドが特徴的、歌唱も丁寧さがある。
核になる曲が少ないことが、
このアルバムのインパクトをなくし地味な扱いになっているが、
アルバムの完成度はそれほど悪くない。

ただこの頃の評判の悪さが影響したのか、
ビルボード200チャートで最高33位と
キリスト教三部作で
もっともチャートのアクションが悪く、なっている。
(『スロー・トレイン・カミング』3位、『セイヴド』24位)
80年11月がからスタートしたコンサートツアーは
81年11月に終了し、1年以上休養と曲作りを兼ねて活動を休止する。

プロデュースはチャック・プロットキンとボブ・ディラン中心に進められた。
当初は二人に加えてバムプス・ブラックウェルがプロデュースに参加し
2.のみ収録されている。
バムプス・ブラックウェルは
リトル・リチャードのレコードで有名、らしい(僕はよく知らない)
リトル・リチャードといえば、
ボブ・ディランに大きく影響を受けたロックンローラーだが
当然、バムプス・ブラックウェルについて知っていると思われ、
そのつながりでプロデュースの仕事につながったと思われるが、
一曲のみしか参加できなかったことがやや謎。

なおこのアルバムの出版登録のためのデモ「エヴリー・グレイン・オブ・サンド」、
レコーディングしたものの収録されなかった
「ユー・チェンジド・マイ・ライフ」、「ニード・ア・ウーマン」、「アンジェリーナ」
の3曲は『ブートレッグ・シリーズ第1~3集』に収録されている。
どの曲もクオリティー的には収録されてもおかしくないどころか、
アルバムの収録曲といくらか差し替えた方が、
アルバムとしてはまとまりが良くなると思えるのだが、
なぜこれら3曲が収録されなかったのは謎である。
特に「エヴリー・グレイン・オブ・サンド」「アンジェリーナ」は
アルバムの核になりそうな曲だけに残念。

1.ショット・オブ・ラヴ – Shot of Love –
2.ハート・オブ・マイン – Heart of Mine –
3.プロパティ・オブ・ジーザス – Property of Jesus –
4.レニー・ブルース – Lenny Bruce –
5.ウォータード・ダウン・ラヴ – Watered Down –
6.ザ・グルームズ・スティル・ウェイティング・アット・ジ・オルター – The Groom’s Still Waiting at the Altar
7.デッド・マン、デッド・マン – Dead Man, Dead Man –
8.イン・ザ・サマータイム – In the Summertime –
9.トラブル – Trouble –
10.エヴリィ・グレイン・オブ・サンド –

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