岡村靖幸 『Me-imi』


Me-imi

2004年9月1日発売。

「禁じられた生きがい」から9年ぶり。
全体的に欠点が目立つアルバムであると思う。
特に歌唱の音程の外れが目に余る。
これをよしと判断したことに
客観的に楽曲を判断するディレクター不在が明かで
このアルバムではそのことがクオリティーに影を落としている。
まだ岡村靖幸のアルバムで未聴のものがあるなら、
オリジナルアルバムでは一番最後に聴くことをお勧めする程である。
仮にどこかで岡村靖幸に興味をもったとして、
早い段階でこのアルバムを手にしたら、
挫折してしまうのではないかとすら考えてしまう。

後に出る、アルバム『エチケット』(ピンク・パープル)、
『幸福』はこのアルバムより充実している。
ここで「天才」という扱われ方でキャリアを終えなかったことが
僕には岡村靖幸のミュージシャンとしての誠実を感じる。

作詞・作曲・編曲 岡村靖幸

01.5!! モンキー ★★★
「エチケット」ではボーカル修正している。
両バージョンとも、リリースの時期が他の収録曲にくらべて比較的近く、
声質もまた似ているだけに、ボーカルの修正の本当に大切なのだ実感する。

読み方は「ファイブモンキー」でなく「ゴーモンキー」らしい。
確かに「ゴーモンキー」というタイトルだと理解すると
混乱気味の歌詞もいくらかイメージできる。

02.モン‐シロ ★★★
歌詞は前半性的になり、2番のAメロは社会的なことを書いている。
筋としてはおかしいのだが、言葉のひとつひとつにトゲがあり印象に残る。
完璧になろうとしてなりきれないジレンマがここで伺える。

03.ア・チ・チ・チ★★★★
歌詞は社会的な部分が中心でそこに性的な部分を入れるのが上手い。
ダンスビートもこれまでにサウンド。
サビの打ち込みのビートとギターの絡みが効いていて気持ちいい。

04.ファミリーチャイム★★★★
個人的にはこの曲のデタラメ英語は気になった。
ただ欠点も目立つ曲。

05.ミラクルジャンプミラクル★★★☆
ポップソング。
ボーカルのピッチを修正すれば印象が大きく変わる可能性がある。

06.未完成 ★★★☆
エレピの弾き語りのシンプルなバラード
字あまり気味のメロディーが
弾き語りのような形と相まって
シンガーソングライターの等身大さを感じさせる。

曲の完成度は決して高くない。
ただ混沌ぎみのこのアルバムにおいて聴く人に
「等身大」以上の評価を与えると思う。

07.軽蔑のイメージ ★★☆
ひたすら混乱している。
歌唱はピッチのずれ、不明瞭な響きが目立ち、
歌詞もイメージの断片のまま、あえて表現したといえば聞こえがいいが
実際歌詞がかけないということを表しているにしか見えない。
メロディーもわざわざリリースするほどさえていると思えない。

08.マシュマロハネムーン~セックス ★★★☆
「マシュマロハネムーン」と「セックス」のメドレーなのだが、
オリジナルと比べた場合、
「マシュマロハネムーン」に「セックス」がくっつけて
オリジナルよりファンク色を出しているという印象。
はじめて聴いたときは楽しいと思う、
ただ曲調が似ている『エチケット』の「マシュマロハネムーン~セックス」
を聴いた後ではプロトタイプのように聴こえなくもない。

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