1997年10月25日発売。
1996年3月に結成し、不定期に路上ライブしていたところ
偶然1997年4月にトイズファクトリー社長稲葉貢一と出会い
日曜日の22時から伊勢佐木町の松坂屋で定期的に路上ライブするようになった。
(定期的にやることで名前を覚えてもらえる。
偶然、演奏が気に入ったらその時間に行けば会えるという戦略的を行っていた。
不定期でとりあえずなんとなくとやって路上で人気が出ていたわけではない。)
そこからアルバムを出すことになり、路上ライブの録音が収録曲として入ることになった。
路上ライブの録音は1997年の8月31日に行われ、
2017年8月28日現在のWikipediaでは
「てっぺん」、「する~」、「地下街」、「ろくでなし」、「岡村ムラムラブギウギ」
の5曲が収録されているとされている。(ただソースが分からない、本当かどうか疑わしい)
曲の大部分は岩沢厚治であり、
『ゆず一家』から北川悠仁が作詞作曲面で多くなってゆく。
この後、ゆずの成功に便上しようとしたのか、
フォークディオが乱発するようにデビューするのだが、
ゆずを除いて数年でほとんどのディオが消えてゆく。
このアルバムを聴いてまず思うのは、
この時点で演奏、歌唱面で
ほとんど完成の域にいっていたことがわかる。
ただ単純にアコースティックギターとハーモニカを抱えて、
「等身大」を気取ってJpopを歌えば、上手くいくわけではない。
再発では初回特典として「夏色」の『ゆずの素』のために行われた、
この日路上ライブでのレコーディングした音源がついていた。
「夏色」の演奏後には
「僕らはゆずといいます。毎週日曜日、ここ伊勢佐木町~(フェイドアウト)」と自己紹介をしている。
無名時代として生々しさを捉えている。
作詞作曲 岩沢厚治(1,3,4,5,6)
北川悠仁(7)
2.作詞作曲 岩沢厚治、北川悠仁
編曲 ゆず
1.てっぺん★★★★
路上にライブ録音されたもの。
「本当の勝者になってやる」に対する具体性が欠けつつも
心に入ってくるものはこの時期のゆずの魅力である。
ベストアルバム『ゆずのね 1997-2007』(2007年10月3日)では
このアルバムでカットにはない演奏する前に
MCがあるバージョンで収録されている。
どうやらこの曲を演奏する直前に岩沢厚治のギターの弦が切れたようだ。
2.連呼★★★★
サビで岩沢厚治のコーラスが
北川悠仁の歌唱を補強している。
路上で録音したけれど、そこでのパフォーマンスが上手くいかなかったからか、
Wikipediaを信じるならスタジオで録ったことになる。
3.する~ ★★★
演奏後、観客のひとりが「ちょっと感動しました」と声を掛け、
北川悠仁がすかさず「ありがとう」という。
路上ライブらしさを感じさせる一コマがある。
4.地下街★★★★
この曲がこのアルバムの顔らしく、PVが制作され
また最初のベストアルバム『Going Home』(2005年6月8日)に
唯一この曲がアルバムに選ばれている。
Aメロの最初に観客の声が入っている。
5.ろくでなし★★★
6.岡村ムラムラブギウギ★★★
神奈川県横浜市磯子区岡村について唄ったコミカルなご当地ソング。
演奏前に笑い声が、
イントロのギター演奏の最中におそらく自転車のブレーキだと思われる音が聞こえる。
7.空模様★★★★☆
バラード。このアルバムで唯一、北川悠仁が作詞・作曲している。
北川悠仁のラフになりがちな歌唱を
岩沢のギターとコーラスが安定してサポートしており、
楽曲の強度を大きく補強している。
繊細さが必要なため当時の路上ライブでは録音できなかったのだろう。
『ゆずのね 1997-2007』には
北川悠仁が「最後の曲です空模様」といった後、演奏するバージョンが収録されている。
コメント