ゆず 『ゆずマン』


ゆずマン

1998年2月21日発売。
前作が全編弾き語りだったのに対し、
バンド、ストリングと
今作からスタジオミュージシャンを多用している。

今作から編曲に寺岡呼人が参加。
この後も約20年間、殆どの楽曲の編曲に参加する。

決してブレークしたわけではないにもかかわらず、
ストリングがあることに
ゆずに対する期待の高さ、
当時の音楽業界は
お金を掛けられる時代(1998年はCD総生産がピーク)
だったことを伺える。

このアルバムの中では
後のイメージするゆずのファミリー感ほのぼのさはあまりない。
翳りの強い楽曲が並ぶ。
メディアでいるゆずのイメージで聴かずぎらいなら
このアルバムを聴いてほしい。

作詞作曲 岩沢厚治(1,2,3,4)
作詞作曲 北川悠仁(5,7)
6のみ 作詞 ゆず 作曲 岩沢厚治
編曲 寺岡呼人・ゆず

1.ところで★★★★
何かしら悩みを抱えながら、
「君は一体どこで何を考えているのか?」となり
眠れないワケを「君」であると嘘ぶく。

救い人は不在で主人公は孤独だ。

2.春三★★★★★
「春が来た」といいながら決して曲調は明るくない。

「春が来た そこまで春が来たよ みんな始まるよ
すべて始めよう ここから始まるから さあ歩き出そう」
と最後に歌われる部分は自分で言い聞かせているようだ。

YouTubeでエンターテインメント全開でこの歌を歌っている姿は驚いた。

3.遊園地★★★☆
岩沢厚治作で北川悠仁がメインで歌うという
「夏色」もその組み合わせなのだが
しかし珍しい組み合わせ。

ここで北川悠仁が歌わないとアルバムでの出番が少なすぎると
判断したのか、
それとも楽曲のクオリティーを挙げるためなのかはわからない。

最後のフレーズの「たくさんあるんだ」だけ岩沢厚治が歌うことで
ロック色は減らしている。

4.なにもない★★★★☆
テーマはタイトルどおりで
実際歌詞でなにも起きていない。
恋人と別れたわけでない、いや出てこない、
ただ主人公が淡々となにもないことを歌っている。

それでこれだけの表現ができることが本当に凄い。

5.~風まかせ~★★★★☆
連続で聴くと「なにもない」の北川悠仁版に聞こえなくもない。
ただ「なにもない」に比べると、
内省さはなく、どこまでも翳りがあっても前向きさを感じさせる。
ここに岩沢厚治と北川悠仁の資質の違いを感じる。

6.いこう★★★☆
1~5と厭世的で翳りの強い曲が続いた後に登場する。
このため、ここでいく「いこう」は
一度絶望的な気分になった後に
達観した明るさを感じる。

7.シュビドゥバー★★★☆
「いこう」でこのアルバムで明るさを示した後、
「シュビドゥバー」で大団円とする。
楽曲自体はいわゆる、ゆずのファミリー感全開なのだが
このアルバムの最後にあるからこそ絵になっていると感じる。

 

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