1995年3月1日発売。
GLAYといえば、ポップなメロディーが並び
等身大を出す歌詞が特徴だと思うが、
このアルバムはメロディーのキャッチ度で言えば
Glayのアルバムで1,2を争う。
歌詞は全体的によくよく読むと
社会のすべてを対象に消費されていく風潮に対して
シニカルさが少し目立つが
僕にはTAKUROの当時のハングリーさだとが感じとっている。
またTERUの歌唱が後の声に比べると、
まだ声がはっきり出せずやや曇っている。
そのことでアルバムにやや翳りを与えている気がする。
信頼を寄せ、亡くなるまでほとんどプロデュース、アレンジする佐久間正英
はこのアルバムの途中から参加のため、12曲9曲参加。
佐久間正英プロデュース作は
他のアーティストのプロデュース作も含めて総括すると
装飾的な音が少なく、
よく言えばシンプルさを感じる、
悪く言えば味気ないと思っているのだが、
このアルバムでは良さが最大限には発揮していない。
佐久間正英プロデュースの良さを発揮させるには
確かな演奏力、セルフプロデュース力が必要なのだろう。
演奏面とサウンド面は後の作品に比べるとやや荒削りは感じるが、
キャッチーなメロディー群は魅力的で
GLAYとしてはエッジがあるシニカルさを感じる歌詞は
このアルバムの特徴である。
全作詞作曲 TAKURO
1 作曲 佐久間正英
12 作詞:YOSHIKI 作曲:YOSHIKI、TAKURO
全編曲 GLAY、佐久間正英
9、10 GLAY、土屋昌巳
12 YOSHIKI
1.SPEED POP(Introduction)★★
佐久間正英が作曲・編曲している。
アルバムタイトル曲を佐久間正英が担当している、
となるとこのアルバムの統一感を出しているのは
Glayよりも佐久間正英が主導的に果たそうとしているということか。
2.HAPPY SWING★★★
「君の大事な夢ってやつはうすのろかもね」というフレーズが面白い。
ロックな嫌味とも希望とも取れる。
3.彼女の“Modern…”★★★★
演奏面がやや荒削りだが、
Glayの中で最もエッジを感じられる曲。
「HAPPY SWING」「彼女の“Modern…”」と
かなりシニカルな歌詞が続くが、ビートの強い曲
だとそこまで感じない。
このときの佐久間正英とレコーディングしたことが
GLAYにとって思いのほかよかったらしく
佐久間正英が亡くなるまでプロデューサーとして指名し続ける。
4.ずっと2人で…★★★☆
バラード曲。
「RAIN」の方がにスケールが大きく、装飾的な美しさがあるのだが、
等身大さがあるこちらの方がファンにとって人気があるのかもしれない。
5.LOVE SLAVE★★☆
6.REGRET★★★
ポップなロックナンバー。
タイトルに反し、アルバムの中で一番明るい曲。
7.INNOCENCE★★★★
サビのメロディーの美しさ。
8.Freeze My Love★★★☆
後半の間奏からサウンドが面白い
最後のサビに出る佐久間正英による
バンジョーが出るところが味を出している。
9.真夏の扉★★★★
1994年6月15日発売の2ndシングル。
ただGLAYのデビューアルバム『灰とダイヤモンド』同年5月25日に発売。
実はデビューシングル『rain』より先にレコーディングされた。
なぜ『灰とダイヤモンド』にこの曲が「rain」も含めて収録されているのか
謎で、ここに少し利権的な大人の事情がとても感じられる。
内容は
ポップなメロディー、王道のロックの歌詞、整理された音プラス印象に残る音。
時系列的には佐久間正英よりも前の音源だが、
これを聴くと土屋昌巳のもっとプロデュース作品、特に「彼女の“Modern…”」
を聴きたかった。
10.Life ~遠い空の下で~★★★
シングル『真夏の扉』のカップリングだった曲。
アレンジの整理された
11.JUNK ART★★
デビュー前のステージを感じさせる曲だが、メロディがさえない。
前作の『灰とダイヤモンド』に入っていそうで入っていない。
12.RAIN★★★★☆
まだデビューシングルとして
デビューアルバム『灰とダイヤモンド』と
同日の1994年5月25日に発売された。
もともとTAKURO作詞作曲の「JULIA (reason for so long) 」という曲が原曲で
そこにYOSHIKIが改作し、
結果的に貴重なYOSHIKIと共作になった。
サビとAメロ、Cメロの作曲はTAKUROであり、
それ以外は推測なのだが
英語部分、その後にくるBメロがYOSHIKIなのだろう。
これだけ豪華なレコーディングが出来るのも
YOSHIKIのプロデュース作というわけだからなのだろう。
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