1987年10月21日発売。
ユニコーンのデビュー・アルバム。
ユニコーンは、1986年3月に広島で結成される。
川西幸一、手島いさむ、向井美音里がバンドを組む中、
堀内一史、最後に奥田民生が加入することから始まる。
1986年12月、ソニーのCBSソニーオーディションにて合格し、デビューが決定する。
その10か月後の発売であるから、それなりの準備をしての発売。
デビュー時のバンドのメンバーは
奥田民生、手島いさむ、堀内一史、川西幸一、向井美音里の5人。
バンドのキーボードには結成当初のメンバー向井美音里が担当している。
その後、
このアルバム発売4か月後にユニコーンを「健康上」を理由に脱退する。
彼女が参加したアルバムはこのアルバムのみ、
後釜として
当時、笹路正徳の下に従事していた阿部義晴が
サポートメンバーを得て正式メンバーとして参加することとなる。
このことが後に、ユニコーンの実力を底上げすることとなるため、
この交代劇は僕には音楽的理由が大きいのでは、と僕は考えることがある。
実際のところは分からない。
このアルバムから後のユニコーン像を見つけることは難しい。
キャラクターとしてのタレント的な3枚目要素は皆無。
そうした要素は2ndアルバム『PANIC ATTACK』(1988年7月21日)から、
微かに感じられるようになる。
『PANIC ATTACK』やこのアルバムを今聴くと、
ユニオンはいつからバンドのキャラクターとしての方向転換を
する気になったのか気になる。
アレンジは笹路正徳と西村麻聡が曲ごとに担当している。
笹路正徳にアレンジが一本化していないことが、
2ndアルバムと違う質感をもたらしている。
作詞・作曲:奥田民生
except
5.作詞:川西幸一 作曲:堀内一史
7.作詞・作曲:堀内一史
編曲:UNICORN 共同編曲:西村麻聡(1,4,5,9)、笹路正徳(2,3,6,7,8,10)
1.Hystery-Mystery
奥田民生の声が細く高い声が、初々しい。
事前にユニコーンだと知らなかったら、奥田民生のボーカルだと気づかないのではないか。
サウンドも80年代のサウンドでこのアルバムにしかない音楽だ。
2.Game
急にユニコーンを聴いた感じになる。
サウンド的に『服部』に入っても違和感ないと思う。
『服部』までの初期のユニコーンは笹路正徳が作ったのだと実感できる。
3.Maybe Blue
メロディーの素晴らしさ、
良く『服部』がリリースされる前の代表的な曲として知られている
川西幸一のドラミングが素晴らしく、ユニコーンには彼が必要だったことが、
デビュー・アルバムで実感できる。
この「Maybe Blue」を中心にした路線でいっても、
それなりバンドとして成功していたと思うけれど、
そうならず、路線変更しユニコーンにしかない魅力を手に入れるから
ユニコーンというバンドは面白い。
4.Concrete Jungle
ミディアムな曲。
サビのキャッチーさと、
時代的だけれどバンドブームに顕著な典型的なビートロックでなく、
洋楽テイストが強いサウンドから、元々の音楽の姿勢を感じさせる。
軽いノリでバンドをやっていなかったという実感と実力の底の深さを感じる曲。
5.Limbo
3枚目要素がないと前述したけれど、
歌詞を書いた川西幸一に少し微かに3枚目、ユーモアを感じられる。
『PANIC ATTACK』も併せて聴いて感じることだけれど、
後のユニコーン像を作ったのは、
川西幸一と堀内一史が先頭に立って引っ張り、
奥田民生が拡大したのでは、と考えることがある。
6.Sweet Surrender
7.Alone Together
ビートロックのスローバラード。
8.Sadness
黄昏感あるロックナンバー、
黄昏感は次の「Fallin’ Night」にも感じるもので、
そういう意味でこの曲はここの並びになったと思われる。
リズムが単調なビートロックで、
リズム中心によりアレンジを作りこめば、さらに曲として水準が向上した可能性が高い。
曲としてのポテンシャルを引き出していないと思う。
そのことが個人的には少し残念に思う。
9.Fallin’ Night
ダンスナンバー。
ビートはバンドでなく、打ち込み感の要素が強く、リズム的には異色。
単調になりがちなアルバムに多彩さを入れようとしたのだろうか。
10.Pink Prisoner
明るいポップナンバー、
次のアルバム『PANIC ATTACK』を予兆しているようにも見える。
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