1973年11月19日発売。
ビーチボーイズは60年代終わりから、アルバムの売り上げが低迷していた。
このときからライブ・バンドとして活路を見いだすこととなる。
このアルバムは
1972年冬から翌年1973年夏に行われたライブ・レコーディングされたものである。
ただ何か所レコーディングしたのかは現時点では僕には分からない。
ただややノイズの混じった音源も収録されたところを見ると、
それほど、レコーディングされた回数は多くないのではないだろうか。
『ビーチ・ボーイズ’69(ライヴ・イン・ロンドン) 』から
わずか4年でまた新しいビーチ・ボーイズのライブ・アルバムが登場した。
その間に演奏としてはブロンディ・チャップリン、
リッキー・ファタ―と短期間(1971~1974年)にいた
ビーチボーイズの正規メンバーが参加していることと、
『ビーチ・ボーイズ’69(ライヴ・イン・ロンドン) 』
(本当は1968年ライブ演奏、ややこしい)にある、
1968年の演奏より落ち着きがあり、円熟味があること。
さらに4年の間にレコーディング技術が進歩したのか、
音質が1段階良くなっていて、
音質的にやや不満だった1968年のライブ音源と違い、
このアルバムには音質の不満がないことが挙げられる。
ちなみにブライアン・ウィルソンは
1964年末から基本的にライブに参加していない。
当然このライブ・アルバムにも不参加。
時期が近いため、
項目で比較してあえて違いを述べると
1968年の演奏(『ビーチ・ボーイズ’69(ライヴ・イン・ロンドン) 』)
・勢い重視の演奏
・サポートミュージシャンあり
・ブラスといった音の幅がある
・音質にやや不満
・アルバムが30分ほどでボリュームがない
1972年の演奏(『ビーチ・ボーイズ・イン・コンサート』、このアルバム)
・落ち着きと円熟味がある演奏
・おそらくサポートミュージシャンなし
・1968年の演奏に合ったブラスとバイオリンがいなく、バンド演奏のみで飾り気がない
・ブロンディ・チャップリン、リッキー・ファタ―が参加している。
・音質に不満を感じない。
・アルバムが75分とボリュームがある。
となると思う。
2017年現在、
ビーチボーイズはすでにオールディーズバンドとして
コンサートを精力的に活動しているけれど
すでにこの頃から、そうした活動はしていた。
もしこの次の年に出るベスト盤『エンドレス・サマー』が
アルバム週間チャート1位を取って、大ヒットしなければ
「ブライアン・イズ・バック」という
ブライアン・ウィルソンは天才でさも復活したように見せる
キャンペーンをしなかった訳だから、
ビーチボーイズはそのまま、
オールディーズバンドとして歴史が終わっていたかもしれない。
そうならなかったことが、僕としては良かったと思っている。
個人的には
このアルバムは演奏ひとつひとつに不満はないのものの、
総じて演奏のスリルが足りず物足りないと感じる。
『ビーチ・ボーイズ’69(ライヴ・イン・ロンドン) 』
の演奏の方が勢い、エネルギーを感じられて
気に入っているということが正直な気持ちである。
ただ音質、演奏の安定感、演奏時間といった
ライブ・アルバムとしての総合として見ると
このライブ・アルバムの方がバランスよくおススメ度が高いと思う。
1.セイル・オン・セイラー – Sail On, Sailor
2.スループ・ジョン・B – Sloop John B
3.ザ・トレイダー – The Trader
4.僕を信じて – You Still Believe In Me
5.カリフォルニア・ガールズ – California Girls
6.ダーリン – Darlin’
7.マーセラ – Marcella
8.キャロライン・ノー – Caroline, No
9.リーヴィング・ディス・タウン – Leaving This Town
10.英雄と悪漢 – Heroes And Villains
11.ファンキー・プリティー – Funky Petty
12.風を吹かせろ – Let The Wind Blow
13.ヘルプ・ミー・ロンダ – Help Me, Rhonda
14.サーファー・ガール – Surfer Girl
15.素敵じゃないか – Wouldn’t It Be Nice
16.ウイ・ガット・ラヴ – We Got Love
17.ドント・ウォリー・ベイビー – Don’t Worry Baby
18.サーフィン・U.S.A. – Surfin’ USA
19.グッド・ヴァイブレーション – Good Vibrations
20.ファン・ファン・ファン – Fun, Fun, Fun
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