ブライアン・ウィルソン 『イン・ザ・キー・オブ・ディズニー』


イン・ザ・キー・オブ・ディズニー [ ブライアン・ウィルソン ]

2011年10月25日発売。
前年『ブライアン・ウィルソン・リイマジンズ・ガーシュウィン』(2010)で
ジョージ・ガーシュウィンのカヴァーをした。
その続編のように今度はディズニー・ソングをカヴァーした。

ディズニー・ソングのカヴァーであるけれど、
基本的にディズニー・ソングを聴いている感じはなく、
ブライアン・ウィルソンのオリジナル・アルバムを聴いているようである。
逆に原曲を聴いていて比べると、
曲によっては、曲調が大きく変わり、ほとんど原形をとどめていない曲が多い。
全体的にカヴァーというより、リメイクに近い感覚で良い意味で聴ける。
アルバム終盤の
10.「ハイ・ホー/笛をふいて働こう/ヨー・ホー」になって、
ようやくディズニー・ソングを歌っているという気になる。
ブライアン・ウィルソンの世界観を作っているものは
メロディーではなく、彼が作りあげたサウンドにこそあるのではないかと感じた。

個人的に興味を持ったのは
11.「星に願いを」を聴いてビーチボーイズ「サーファー・ガール」がイメージして聴けないことである。
彼は19歳のときドライブ中、メロディーを浮かび、生まれて初めて作曲した。
そのメロディーは、後に1963年ビーチボーイズ「サーファー・ガール」としてとして発表され、代表作となる。
「サーファー・ガール」は「星に願いを」からインスパイアされたとなっている。
ただ僕には、この「星に願いを」は聴いて、ビーチボーイズの世界を描けなかった。
ブライアン・ウィルソンがソロになってから、
かつてのビーチボーイズの世界観から離れたことが大きけれども、
それでも「サーファー・ガール」はまぎれもなく
ブライアン・ウィルソンだけの頭の中で描いた世界であると感じさせた。

ジョージ・ガーシュウィン以上に有名なディズニー・ソングを
丁寧に自分の世界に構築させて見せる。
ブライアン・ウィルソンがもし、その気になればビートルズ、ボブ・ディランの曲でも
自分の世界観を見せることができる、そんな実力を示したような気がした。

1. 君はともだち[トイ・ストーリー]- YOU’VE GOT A FRIEND IN ME (FROM TOY STORY) -
2. ザ・ベアー・ネセシティ[ジャングル・ブック]- BARE NECESSITIES (FROM THE JUNGLE BOOK) -
3. 私の赤ちゃん[ダンボ]- BABY MINE (FROM DUMBO) -
4. キス・ザ・ガール[リトル・マーメイド- KISS THE GIRL (FROM THE LITTLE MERMAID) -
5. カラー・オブ・ザ・ウィンド[ポカホンタス]- COLORS OF THE WIND (FROM POCAHONTAS) -
6. 愛を感じて[ライオン・キング]- CAN YOU FEEL THE LOVE TONIGHT? (FROM THE LION KING) -
7. 僕らはひとつ[トイ・ストーリー3]- WE BELONG TOGETHER (FROM TOY STORY 3) -
8. 王様になるのが待ちきれない[ライオン・キング]- I JUST CAN’T WAIT TO BE KING (FROM THE LION KING) -
9. 眠らないで [メリーポピンズ]- STAY AWAKE (FROM MARY POPPINS) -
10.ハイ・ホー/笛をふいて働こう/ヨー・ホー[白雪姫~カリブの海賊 – HEIGH-HO/WHISTLE WHILE YOU WORK (FROM SNOW WHITE AND THE SEVEN DWARFS) -
11.星に願いを[ピノキオ]- WHEN YOU WISH UPON A STAR (FROM PINOCCHIO) -
12.夢はひそかに[シンデレラ]- A Dream Is a Wish Your Heart Makes -
13.世界に平和を[わんわん物語]- Peace on Earth  -

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