ジョーン・バエズ 『ジョーン・バエズ / ボブ・ディランを歌う』


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1968年12月発売。
オリジナルの英語表記は『Any Day Now』。
邦題の方がアルバムの性格を表している。
まさに邦題の通り、
このアルバムは
全曲ボブ・ディランが作曲した唄を歌っている。
しかも当時のLPで2枚組。本格的にボブ・ディランの曲を取り組ん作品である。

ボブ・ディランはアルバムで『ジョン・ウェズリー・ハーディング』
(1967年12月27日)まで発売されていていた。
オリジナルアルバムは8作
(『ブロンド・オン・ブロンド』はレコード2枚組だからレコード9枚分)
あった。
対象となる曲はそれなりにあった。

しかしそれにも関わらずこのアルバムは
当時公式にボブ・ディランが公式にリリースしていない曲が
6曲も選曲されてある。
アルバム16曲中6曲と占める割合が多く、
まるでボブ・ディランが曲提供したようにも見えてくる。
実際はそうでなくて、ボブ・ディランはデモ演奏して曲を録音して、
様々なミュージシャンに歌ってもらえるために、
著作権に必要な楽曲登録を兼ねて、音楽出版社へ音源を送っていて、
おそらくその音源を聴いて、アルバム選曲の対象にしていたのだと思う。
ちなみにその1962年から1964の間に
音楽出版社へ送るために録音した音源はまとめられ、
現在は『ザ・ウィットマーク・デモ(ブートレッグ・シリーズ第9集)』
として公式に聴くことが出来る。
1965年以降のデモは音楽出版社へ登録するためのデモは
未だにまとまって公式には聴けない。
ただ1966年から1968年あたりまでのデモの一部は
『ベースメント・テープス・ロウ(ブートレッグ・シリーズ第11集)』
として聴ける。

選曲はボブ・ディラン作品の歌詞カードを床にバラマキに置き
ジョーン・バエズが目をつむり、無作為に選んだとされている。
けれど多分、ボブ・ディランのアルバムで
音楽出版社に送られてきたデモ音源が多く選曲されていることに加えて
『時代は変わる』(4曲)『ジョン・ウェズリー・ハーディング』(4曲)と
アルバムで偏って選ばれているから
実際は大まかな枠を考えた上で「無作為」に選んだのだと思う。

この2枚組のアルバムは1968年9月、ナッシュビルでレコーディングされている。
次に発売されるオリジナルアルバム『David’s Album』(1969年5月)もかねての
レコーディングであったため、
かなりタフなレコーディングだったとされている。

サウンドは
ややインド音楽の要素取り入れているが、
エフェクトをかけたエレキギターはない、
テンプレ気味な典型的なフォークロックが基調。
リズム隊のロックな演奏の安定感が
フォークロックはもうすでに確立されているということが伝わり、
ボブ・ディランが初めて本格的にエレキでロックの演奏を行った
1965年から遠くにいってしまったと思わせ、
60年代の終わりを実感させられる。

ボブ・ディランの曲だといわれないと、なかなか気づかない選曲をしているから
ボブ・ディランの曲を聴いた感じはそれほどしない。
ただ「ローランドの悲しい眼の乙女」が
ただでさえ原曲が繊細さを出しているのに
よりリリカルさが出ているのはびっくりした。

ボブ・ディランのライブアルバム『ローリング・サンダー・レヴュー』で
ボブ・ディランとのディエットが素晴らしかったから、
ジョーン・バエズの事が気になって手に入れてみた。
アルバムを聴いて決めては欠けるが、
ボブ・ディランのソングライターの奥行の深さは感じた。

1.ラヴ・マイナス・ゼロ – Love Minus Zero/No Limit –
2.ノース・カントリー・ブルース- North Country Blues –
3.ゴーイン・ノーホエア- You Ain’t Goin’ Nowhere –
4.漂流者の逃亡- Drifter’s Escape –
5.あわれな移民 – I Pity the Poor Immigrant –
6.怒りの涙 – Tears of Rage- (Bob Dylan, Richard Manuel)
7.ローランドの悲しい眼の乙女 – Sad Eyed Lady of the Lowlands –
8.愛はちょうど四つの文字のよう – Love Is Just a Four-Letter Word –
9.聖オーガスティンを夢でみた – I Dreamed I Saw St. Augustine –
10.赤棟のかべ – Walls of Red Wing –
11.拝啓地主様 – Dear Landlord –
12.いつもの朝に – One Too Many Mornings –
13.アイ・シャル・ビー・リリースト – I Shall Be Released –
14.スペイン革のブーツ – Boots of Spanish Leather –
15.はてなき旅路 – Walkin’ Down the Line –
16.哀しい別れ – Restless Farewell –

*ボブ・ディランが歌っているバージョンのアルバム一覧
『時代は変わる』(2、12、14、16)
『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』(1)
『ブロンド・オン・ブロンド』(7)
『ジョン・ウェズリー・ハーディング』(4、5、9、11)
『グレーテスト・ヒットvol.2』(3、13)
『地下室(ザ・ベースメント・テープス)』(6)
『ブートレッグ・シリーズ第1〜3集』(10、15)
いまだに未発表(8)

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