ボブ・ディラン 『ローリング・サンダー・レヴュー』


ローリング・サンダー・レヴュー (通常盤)

2002年11月26日発売。
1975年10月30日 – 12月8日の30公演行われた
ローリング・サンダー・レヴュー第1期からのライブ音源。
ブートレグシリーズ第5集として発売された。
『激しい雨』は第2期(1976年4月18日 – 5月25日の27公演)だったので、
これである程度公式音源でローリング・サンダー・レヴューの音楽性が分かるようになった。

また同時並行して4時間に及ぶ映画『レナルド・アンド・クララ』(1978年)が制作された。
ローリング・サンダー・レヴューの
映画の内容はコンサートの模様とボブ・ディランの思い付きに当たる演技部分が撮影されている。
『レナルド・アンド・クララ』と合わせると、
さらにローリング・サンダー・レヴューの世界観が分かるのだが、
現在は映画はコンテンツとして発売しておらず、Youtubeで断片的に見ることしか確認できない。

4か所5公演(11月19日、20日、21日(この日はダブルヘッダーで2回コンサートを行った)、12月4日)
からの音源を収録されている。
そこからセットリストに近い形で構成されている。
正規のライブレコーディングで24トラックマルチテープから録られている中から、
ベストのテイクを選曲されている。
1975年11月21日のボストン・ミュージック・ホール、第一ショーが
ボブ・ディランの絶好調だったらしくアルバムの半分が収録されている。
なお『バイオグラフィー』(1985年)には「ドゥランゴのロマンス」と「イシス」(12月4日)の別音源が聴ける。
あえて『バイオグラフィー』と違う日のテイクを選んだとライナーノーツに書かれている。

1曲目からやってくれる。
荒々しい演奏と歌唱が売りになっているローリング・サンダー・レヴュー、
しかしここまでボブ・ディラン自身が素晴らしくも荒々しいガナル音源は
『激しい雨』(第2期ローリング・サンダー・レヴューからの音源)にはなかった。
このアルバムの曲順、出来る限りセットリストに近い曲順でアルバムを構成しているのだが、
この曲は違う。
1曲目にあえてこの曲を持っていくあたり、この曲を聴かせたかったと思わせる。

「はげしい雨が降る」も第2期ローリング・サンダー・レヴューとはかなり異なるアレンジ、
オリジナルアルバムとは他の曲もかなり違うアレンジなっている。

「風に吹かれて」、「ママ、ユー・ビーン・オン・マイ・マインド 」
「アイ・シャル・ビー・リリースト」「ザ・ウォーター・イズ・ワイド」
(Disc 1、最後の3曲(9、10、11)とDisc 2の4曲目)
はジョーン・バエズとのデュエット。
ボブ・ディランの荒くしゃがれた声と
ジョーン・バエズの太く綺麗な声のの混ざり具合が
『アット・フィルハーモニック・ホール』よりも良く秀逸。
というよりもっと聴きたいぐらい素晴らしい。

総じてローリングサンダーレビュー第2期以上にバラけた演奏であるけれど、
ボブ・ディランのやりたいこととエネルギーが伝わる。
ボブ・ディランの弾き語りあり、ジョーン・バエズのディエットありと
『激しい雨』よりもバラエティはゆたかなアルバムだと思う。

Disc 1
1.今宵はきみと – Tonight I’ll Be Staying Here With You –
2.悲しきベイブ – It Ain’t Me Babe –
3.はげしい雨が降る – A Hard Rain’s A-Gonna Fall –
4.ハッティ・キャロルの寂しい死 – The Lonesome Death of Hattie Carroll –
5.ドゥランゴのロマンス – Romance in Durango –
6.イシス – Isis –
7.ミスター・タンブリン・マン – Mr. Tambourine Man –
8.運命のひとひねり – Simple Twist of Fate –
9.風に吹かれて – Blowin’ in the Wind –
10.ママ、ユー・ビーン・オン・マイ・マインド – Mama, You Been on My Mind –
11.アイ・シャル・ビー・リリースト – I Shall Be Released –

Disc 2
1.イッツ・オール・オーバー・ナウ、ベイビー・ブルー – It’s All over Now, Baby Blue –
2.ラヴ・マイナス・ゼロ/ノー・リミット – Love Minus Zero/No Limit –
3.ブルーにこんがらがって – Tangled Up in Blue –
4.ザ・ウォーター・イズ・ワイド – The Water is Wide –
5.悲しみは果てしなく – It Takes a Lot to Laugh, It Takes a Train to Cry –
6.オー、シスター – Oh, Sister – 4:04 2024/10/03
7.ハリケーン – Hurricane –
8.コーヒーもう一杯 – One More Cup of Coffee (Valley Below) –
9.サラ – Sara –
10.女の如く – Just Like a Woman –
11.天国への扉 – Knockin’ on Heaven’s Door –

録音データ
1975年11月19日マサチューセッツ州ウースター、メモリアル・オーディトリアム(disk2-7)
1975年11月20日マサチューセッツ州ケンブリッジ、ハーヴァード・スクエア・シアター(disk1-7,11)
1975年11月21日マサチューセッツ州ボストン、ボストン・ミュージック・ホール、第一ショー(disk1-4,6,9,10 disk2-3,4,5,6,8,9,10)
1975年11月21日マサチューセッツ州ボストン、ボストン・ミュージック・ホール、第二ショー(disk1-2,5,8,11)
1975年12月4日カナダ・モントリオール、モントリオール・フォーラム(disk1-1,3 disk2-1,2)

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