1992年11月3日発売。
ボブ・ディランがギターの弾き語りでアルバムのレコーディングを行った。
アコースティック・ギターによる弾き語りは
『アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン』(1964年)、
このアルバムが発売されて、28年前の出来事である。
全曲をトラディショナル曲のカヴァーである。
ボブ・ディラン自身のオリジナル曲はない。
多くのトラディショナル曲のカヴァーをアルバムに収録するという意味では、
デビューアルバム『ボブ・ディラン』を彷彿させる。
(アルバム『ボブ・ディラン』13曲11曲、ブルースやフォークのカヴァー)
この前年にボブ・ディランのアーカイブのシリーズとなる、
ブートレグシリーズとなる
『ブートレッグ・シリーズ第1〜3集』(1991年)を発売、
このアルバム次の年にボブ・ディランデビュー30周年記念のコンサート(1993年)
その模様をアルバム『30〜トリビュート・コンサート』として発売すると、
ボブ・ディランはこの頃、自分の原点を見つめていたのではないだろうかと
僕は考えている。
ギターは円熟味を感じさせる。
もともとデビューアルバムの時点でテクニックは十分にあったのだが
それでもこのアルバムを聴いているときに、
ギターの上手さを感じさせる。
レコーディング環境が60年代当時と変わったから、
ギターの輪郭をはっきりと聴けるようになったからだろうか。
加えて、アルバムに収録されている声はデビュー時の声と違う。
かつてのような声と違い、わざと喉でガナルような歌い方をしている。
よくボブ・ディランはざらついた声一辺倒と誤解をする人がいるけれど、
実際は歌い方を変えていて、時期である程度分けることが出来る。
この声の歌い方『オー・マーシー』以来の歌い方である。
1.フランキーとアルバート – Frankie & Albert –
2.ジム・ジョーンズ – Jim Jones –
3.ブラックジャック・デイヴィー – Blackjack Davey –
4.キャナディ・アイ・オー – Canadee-i-o –
5.オン・トップ・オブ・ザ・ワールド – Sittin’ on Top of the World –
6.リトル・マギー – Little Maggie –
7.辛い時代 – Hard Times –
8.ステップ・イット・アップ・アンド・ゴー – Step It Up and Go –
9.あしたの晩 – Tomorrow Night –
10.アーサー・マクブライド – Arthur McBride –
11.別れるっていうんだね – You’re Gonna Quit Me –
12.ダイアモンド・ジョー – Diamond Joe –
13.蛙の求婚 – Froggie Went A-Courtin’ –
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