ボブ・ディラン 『アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン』


アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン(紙ジャケット仕様)

1964年8月8日発売。
4枚目のアルバムだが、
タイトルに「Another Side」とある。
最初の3枚と比べるとボブ・ディランが
陽気さをあらわしすようになった。
ピアノの弾き語りがある、ギター以外の音を全面的に出した曲がある。
そして何よりプロテストを明確に出した曲がなくなる。

歌詞にプロテストを明確に出した曲がなくなった。
よく言えばイメージそのまま、
僕はシュールさを感じて分かりにくさを感じる。
一般的に言われる、
歌詞が分かりにくい言葉を並べるボブ・ディランはここから顕著になる。
個人的には2枚目と3枚目にあるボブ・ディランの持つ
明確なストーリーテラーに魅力を感じたのだが、
とりあえず新しいスタイルの歌詞を書くようになる。

陽気さがあると書いたが、曲そのものが陽気ではなく、歌っている途中に
ボブ・ディランが笑いながら歌っているということなのだが、
どちらかというとアウトテイクをそのまま出しているようで、
僕にはあまりポジティブな気持ちにはなれない。

録音は1964年6月9日の1日のみで録られ、
収録曲にラフな弾き語りが多く収録されていて、
アルバム全体にかなりの雑さを感じる。
僕はこのアルバムを聴くとき、
ある種のひと昔のデモテープと割り切っている。

ただあえてひと昔のデモテープとして聴くと、
このアルバムの音質・録音の良さを感じ取ることが出来る。
当時の(世界で最高のレコーディング環境がある)アメリカの
大手のレコード会社コロンビアから出されたアルバムだと実感できる。
しかもこの頃のボブ・ディランは十分に新進気鋭の若手として期待されていた。
そのためか(レコーディングに2日使った)1st『ボブ・ディラン』より
録音の丁寧さを感じることが出来る。

そういったそれまでにない側面が
これまでアルバム買ったファンへの
タイトルに込められたメッセージなのだろうが
次回作はバックにバンド演奏の過激さをました曲を多く収録し、
ロック化していくこととなり、
「Another Side」で済まなくなる。

1.オール・アイ・リアリー・ウォント – All I Really Want to Do –
2.黒いカラスのブルース – Black Crow Blues –
3.スパニッシュ・ハーレム・インシデント – Spanish Harlem Incident –
4.自由の鐘 – Chimes of Freedom –
5.アイ・シャル・ビー・フリー No.10 – I Shall Be Free No. 10 –
6.ラモーナに – To Ramona –
7.悪夢のドライブ – Motorpsycho Nitemare –
8.マイ・バック・ペイジズ – My Back Pages –
9.アイ・ドント・ビリーヴ・ユウ – I Don’t Believe You (She Acts Like We Never Have Met) –
10.Dのバラッド – Ballad in Plain D –
11.悲しきベイブ – It Ain’t Me Babe –

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