ボブ・ディラン 『Live in New York: Gaslight Caf』


Live in New York: Gaslight Caf

2012年4月30日発売。
ボブ・ディランのライブアルバムである。
1961年9月6日、
デビュー前のニューヨークのグリニッチ・ヴィレッジのGASLIGHT CAFEで
録音された音源が集められている。

ボブ・ディランは1961年1月にニューヨークにやってきた。
そして1961年10月に大手のレコード会社コロンビアと契約することとなり、
1961年11月20日・22日にデビューアルバムの『ボブ・ディラン』をレコーディングする。
つまりこのときの音源はデビューアルバムのレコーディングの
2カ月前のライブ音源となっている。
現時点ではボブ・ディラン最古のライブアルバム。
ギター、ハーモニカ、歌唱はデビュー時と変わらないレベルで演奏していて、
この時にはすでにボブ・ディランとして出来上がっていることがわかる。

最後の7. 「The story of East Orange」はライブ音源でない。よって実質6曲。
(おそらくボブ・ディランがこの頃を語ったインタビューではないだろうか?
歌ではなく何かを語っているし、音質がこれだけ明らかに違う。)

6曲中3曲、ボブ・ディランの作(3、4、5)。
『ボブ・ディラン』に収録されていた「ウディに捧げる歌」はここでは
スローバラードになっている。
また3.は『ボブ・ディラン』、
5.は2ndアルバム『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』で
レコーディングされたもののお蔵入りになっている曲。
その時の音源は
後のアルバムアウトテイク集『ブートレッグ・シリーズ第1〜3集』に収録されることとなる。

トラディショナル曲で注目するところは
6.「プリティ・ポリー」で
後に『時代は変わる』に収録される
ボブ・ディラン作「ホリス・ブラウンのバラッド」に大変似ている。
この曲が「ホリス・ブラウンのバラッド」の下地になっていると思う。
この当時のフォークはトラディショナル曲にメロディーを変え、歌詞を変えて
オリジナルとして歌っていたそう。
そう考えるとかなり柔軟に音楽は作られ、「自由な歌」を体現していたわけだ。
ボブ・ディランがトラディショナル曲をカヴァーし、
オリジナル曲をつくる資質を育てていたことが伝わる。

1. 友だちだった彼- He was a friend of mine
2. ライディング・イン・マイ・カー- Riding in my car
3. マン・オン・ザ・ストリート- Man on the street
4. ウディに捧げる歌 – Song to Woody
5. トーキン・ベア・マウンテン・ピクニック・マサカー・ブルーズ- Talkin’ bear mountain massacre
6. プリティ・ポリー – Pretty polly
7. ザ・ストーリー・オブ・イースト・オレンジ- The story of East Orange

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