1995年3月8日発売。
ユニコーンが1993年9月に解散し、奥田民生は約半年間休養する。
ユニコーンにもあった、脱力な表現を一層表に出したアルバム。
これ以降、奥田民生は脱力さを全面に出した王道のロックを軸にして、活動する。
タイトルは当時の奥田民生自身の29才という年齢から。
この次のアルバムがまたもや年齢から『30』となる。
ユニコーン時代と違い演奏陣がバンドメンバー中心でないところ、
しかも外国のスタジオミュージシャンの起用もユニコーンとの質感の違いを感じる
作詞・作曲・編曲:奥田民生
1.674
弾き語りを軸の、ほのぼのさを感じる唄。
間奏から聴けるSEのおしゃべり部分を聴いて
この曲はもしかしてビートルズ「イエローサブマリン」を
ヒントに作られたのではと感じた。
そう考えて聴くと少し雰囲気が似ているように思えてくる。
2.ルート2
ロックナンバー。
よく言えば飾り気ないシンプルさ。
ユニコーンの頃のあった、
音のカラフルさがないと感じられ、
音に寂しさを感じられると思う。
ソロアーティストになったのだということを
実感できる。
同時にこのサウンドのエッジの部分だけを見せるという
音は90年代のJpopらしさを聴いているという実感がある。
3.ハネムーン
気だるさの感じられるオルタナティブなロック。
4.息子 (アルバム・ヴァージョン)
いじめられている息子を励ますという内容。
難しいテーマの中で奥田民生なりの言葉を並べている。
シリアスなテーマで
奥田民生のほのぼのさを忘れていないところに
個性であり、この曲に関してはかなりの好感をもてる
「俺なんかよりずっとイケる べっぴんさんにきっとホレられる
もうそれだけは気合いれてやりな」
というところに自分が言える精一杯のメッセージだと伝わり
僕はこのフレーズに好感を覚える。
印象的なメロディ、
1995年1月15日シングルとして発売された。
5.これは歌だ
脱力そのもののロック。
「なんのための 歌だ これは」という
冒頭のフレーズから始まり、
自分はあくまで自然体で生きていくとアピールしている。
6.女になりたい
脱力な王道ロックが続いたため、変化球的に出ている。
女になりたいみつおを唄った脱力コメディソング。
リズムは
7.愛する人よ
ポップスさを感じる。
「とぼけてる顔で実は がんばっている」
「とぼけてる顔で実は 知っている」
という自分のイメージをユーモアに歌詞に取り入れている。
シングル「愛のために」カップリング曲。
8.30才
AOR色がある曲。
歌詞と曲調、メロディー、歌唱で
完全に直感だが
はっぴいえんど『風街ロマン』に入りそうなだなと思った。
はっぴいえんどの「あしたてんきになあれ」を思い出したのである。
ただサウンドの響きは90年代のハイファイ感がある。
9.BEEF
歌詞は神戸牛について唄う、一本調子なロック。
シングル「息子」カップリング曲。
10.愛のために
解散後、初めてのデビューシングルとして1994年10月21日に発売。
(ユニコーンの企画としてメンバーがソロシングル出すという企画があった。
それを入れると2枚目)。
ドラムはユニコーンの川西幸一。
外国のスタジオミュージシャンが多く起用されているこのアルバムで
この曲もクレジットを見るまでドラムが
外国のスタジオミュージシャンだと思っていた。
自分の耳もあまり当てにならないなあ。
川西幸一のドラムの音色、
ユニコーン時代と違って太くなっているのは
レコーディングやミックスによって
音の性格が変わるということを意味しているのか
演奏スタイルを変えたのか、個人的には興味深い。
この曲昔よくカラオケで歌っていたな。
11.人間
抑圧されたフォーク調の曲、ただ演奏陣は
6人の外国のスタジオミュージシャンと奥田民生の7人。
サウンドをさり気にカッコよく色付いている。
12.奥田民生愛のテーマ
奥田自身がギター、ベース、ドラム演奏していて、
全ての楽器を演奏する。
デビューアルバムの時点で既にひとりカンタビレにつながっている。
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