19 『up to you』


up to you

2001年9月27日発売の3rdアルバム。
このアルバムの発売後の半年後、
19は9thシングル『蒲公英 -たんぽぽ-』(2002年3月21日)を発売して解散する。

シングル曲はアルバムバージョン合わせると4曲収録されていて
アルバムは収録曲は15曲と多い。
アルバムをまとめる力がなくなったかのような内容である。
もはやバラバラのユニットのコンピレーションアルバムみたいになっている。

ただあえて無理やりポジティブなところを見いだそうとすれば、
アルバムの収録曲ひとつひとつ違うスタイルの曲を収録していて
19として可能性をできる限り探ろうとしていると見ることも出来なくはない。
まるで19でやれることをやり尽くして
自分を見つめることができて、ソロになりましたといわんばかりに。
少しは19でやり残した後悔が減ってよかったのではないかと
僕はこのアルバムを聴いて感じることが出来た。

1.たいせつなひと(album ver.)
作詞:市川喜康/岡平健治 作曲:岡平健治 編曲:Itocky、岡平健治
2001年8月22日に8thシングルとして発売したアルバムバージョン。
シングルでは全編ロックだったのに対して、こちらは前半バラード、後半はロックと変更されている。
完全に別バージョンだが、楽曲としてはシングルバージョンの方がいい。
というよりアルバムバージョンは良くない。

2.足跡
作詞:岩瀬敬吾 作曲 岩瀬敬吾、茂村泰彦 編曲 茂村泰彦
7thシングルとして発売。作曲は茂村泰彦と共作。
茂村泰彦は19のデビュー時からSoundProducerとして参加している。
  
3.炎 
作詞作曲:岡平健治  編曲:GENE POOL、岡平健治
バラード。
岡平健治はストレートなバラードと素朴なストレートなバラード書いていたが、
ここまではっきりしたロックバラードは実は初めて。
アレンジの構築を変えたことで多彩さを出そうとしている。
そういう意味でよく考えれば新しさがあるはずなのだが、
楽曲が弱いため、冗長を感じる。

4.corona
作詞作曲:岩瀬敬吾 編曲:茂村泰彦
岩瀬敬吾のポップソング。
コーラスが茂村泰彦で、
しかもこの曲を聴いた限り、岡平健治に似ているため、
岡平健治がコーラスやって欲しかったと思ってしまう。
ただそのことをわざわざ気にせずに聴いたならば
太いロックサウンドとポップなメロディーが合ってて、
聴いていて楽しい。

5.太陽は僕らを照らしてた
作詞:はしもとみゆき 作曲:岡平健治 編曲:大川達之、3B LAB☆
アップテンポの打ち込み全開。
ここまで打ち込み全開なのは
「西暦前進2000年→」以来なのだが
質感違う。
アレンジが違えば1stアルバム『音楽』に収録されていてもおかしくないのだが
そうしなかったのはサウンドに新しさを出したかった、
マンネリを防ぐつもりだったのだろう。
少しデビュー時から遠いところへいった気を感じさせる。

6.雲レ日
作詞作曲:岩瀬敬吾 編曲:wingstone
ここでの岩瀬敬吾のポップソング
「corona」といいここも岩瀬敬吾のポップさがいい。
前作のこなれていない感じがなくなり、アレンジと曲がうまく溶け合っている。

7.無意識とは
作詞作曲:岩瀬敬吾 編曲:wingstone
前作がまるで不調だったかのように
岩瀬敬吾作曲の「雲レ日」とこの曲の2曲の流れが
とてもいい。
この2曲が僕にとってこのアルバムのハイライトになっている。

8.水・陸・そら、無限大
作詞作曲:19 編曲:茂村泰彦、19
2000年7月5日発売の5thシングル。
日本代表選手団公式応援ソング。
個人的にはマクドナルドのCMでながれていた記憶がある。
実は2ndアルバム『無限大』が2000年7月26日に発売されていて、
2ndアルバムに収録できるはずなのだが、なぜか収録されずここで収録されている。
「無限大」という同じテーマを使っていると思うのだが。

しかしこの曲は『無限大』にありそうであまりなかった。
19の等身大とやさしさとひろがりのようなものに対する
あざとさが感じられる。
そういう意味でもはやコンピレーションアルバムと化している
このアルバムに収録されていて良かったと思う。

9.ショベルヘッド’79
作詞作曲:岡平健治 編曲:3B LAB☆
英ロック感じる、湿ったサウンド。
岡平健治の単調さをなくすために
アルバムの流れに明暗を作ったのか(この場合、暗明)

10.落書
作詞作曲:岡平健治 編曲:3B LAB☆
パンクロック曲。
歌詞が広島弁である。岡平健治は広島出身である。

11.コッツウォルズ
作詞作曲:岩瀬敬吾 編曲:wingstone
オルタナティブロック色が強い曲。
ただそれだけという感じが長く感じる。

12.背景ロマン
作詞作曲:19 編曲:茂村泰彦、19
6thシングル。2人の純粋な共作となっている。
ただ内容は19のイメージをコラージュしたようで
まるでセルフパロディをやっているような内容になっている。
『背景ロマン』はカップリング曲の方が優れていて、聴きどころだ。

13.毎週火曜日
作詞作曲:岩瀬敬吾 編曲:茂村泰彦、岩瀬敬吾
フォークなのか、ラップなのかAメロは語りのようなものである。
しかしそのAメロはラフな感覚を出したかったのだろうけど、
グダッテいる上に、とっちらかっている。
特に最初のAメロはけっこう大丈夫か?と思ってしまう。

14.Sing a Song
作詞作曲:岡平健治 編曲:GENE POOL、岡平健治

15.みんなのうた
作詞作曲:岡平健治 編曲:岡平健治
コンサートツアーを意識した曲。
ソロ2つのアルバムを分解して無理やりくっつけたアルバムの中で
最後に申し訳程度に19であろうとしている曲が出てくる。
そう考えると少し白々しくなってしまう。

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